音符(おんぷ)とは音を鳴らす記号で、休符(きゅうふ)は音を休ませる記号です。それら音符と休符にも種類があり、もちろん呼び方が違えば長さも違ってきます。よく見られる音符と休符で、基本的な事を確認していきましょう。
音符
音符の符頭・符幹・符尾
8分音符を例に挙げると、球体部分を符頭(ふとう)、直線部分を符幹(ふかん)、曲線部分を符尾(ふび)や符鉤(ふこう)と言います。簡潔な呼び方もあり、符頭は玉(たま)、符幹は棒(ぼう)、符尾は旗(はた)と言います。書き方ですが「符頭→符幹→符尾」が、正しい順番とされています。
呼び方は統一されていない?
楽典によっては棒を符尾と、説明している事があります。また、棒と旗を合わせて符尾と説明している楽典もあり、呼び方は完全には統一されていないようです。
音符は符幹や符尾で短く
左から順番に音が長い音符です。符頭だけの全音符(ぜんおんぷ)が最も長い音を出し、そこへ符幹や符尾が付くにつれ、音が短くなると覚えておきましょう。
白玉と黒玉
全音符と2分音符は符頭が白いので白玉(しろたま)、4分音符からは符頭が黒いので黒玉(くろたま)とも言われます。
符尾は第3線から
五線は下から第1線と数えていき、赤色で示しているのは第3線です。4分音符の符幹に注目すると、符幹は第3線から下向きに書かれます。また、符幹の位置も音符の左側に変わります。
符尾の向き
8分音符の場合も第3線から、符幹の上下と左右が変わります。符尾の向きですが、第3線までは符頭と逆側に書きますが、第3線からは符頭と同じ側に書かれているのが分かります。
連桁で分かり易く
例えば8分音符が連続する時、①でも間違いではありませんが、②や③のように、符尾を横線にして結んでやると分かり易くなります。この横線の事を連桁(れんこう)と言います。連桁で結ぶ数は決まっていませんが、2つか4つがよく見られるでしょう。
連桁の本数
次は16分音符が並んでいますが、やはり④では見づらいので、これも⑤のように連桁で結んでやります。単独の16分音符の符尾の数と同じく、連桁で結ばれた16分音符同士は、連桁も2本になっているのが分かります。16分音符は4つずつを、連桁で結ぶと分かり易いでしょう。
連桁で結ぶ違う音符同士
連桁では違う音符同士も結ばれます。よく見られるのが上記の3種類で、8分音符と16分音符が連桁で結ばれた形です。どちらの音符かは先ほども説明したよう、連桁の本数を見て判断します。
休符
休符は音符とセット
左から順番に休みの長い休符です。下記でも図表を使い説明しますが、休符と音符は全く同じ長さのものが存在します。休符と音符はセットで覚えるようにしましょう。
全休符と2分休符に注意
休符で最初に迷う事が多いのは、全休符と2分休符の位置です。全休符は五線の第4線から下へ突き出して、2分休符は五線の第3線から上へ突き出して書きます。4分休符や16分休符も正しい書き順があるようですが、これは自分の書き易い順番で書けば良いと思います。
8分休符と連桁
①でも間違いではないですが②のようにして、8分音符は8分休符を跨ぐように連桁で結んでやると、全体的にも分かり易くなるでしょう。
16分休符と連桁
今度は16分音符と16分休符ですが、これも③よりかは④のようにして、連桁を使い書く方が分かり易いでしょう。
音符と休符の計算
音符と休符の数値化
音符と休符を数値化して、長さを把握する事もあります。4分音符を1.0と考えると、他の音符は上記の図表のような数になります。次に音符と休符を使い、足し算や引き算をしてみましょう。
音符の足し算
先ほども説明したように、4分音符を1.0と考えて足し算をしてみましょう。簡単な計算なので直ぐに分かると思います。
休符の引き算
今度は休符の引き算ですが、これも要領は全く同じで、4分休符を1.0と考えて計算してみてください。
付点音符と付点休符
付点音符の付点の長さ
付点(ふてん)という小さな黒い点が、音符や休符の直ぐ右隣に付いていたら、そられは付点音符や付点休符というもので、付点は元の音符や休符の半分の長さを表しています。ここでも4分音符を1.0として、よく見られる付点音符と付点休符を詳しく見てみましょう。
付点2分音符の長さ
付点2分音符の長さは3.0ですが、付点2分音符の元の音符は2分音符で、それは2.0となります。2.0の半分は1.0なので、付点2分音符の付点は1.0の4分音符を表しているわけです。
付点4分音符の長さ
付点4分音符の長さは1.5ですが、付点4分音符の元の音符は4分音符で、それは1.0となります。1.0の半分は0.5なので、付点4分音符の付点は0.5の8分音符を表しているわけです。
付点8分音符の長さ
付点8分音符の長さは0.75ですが、付点8分音符の元の音符は8分音符で、それは0.5となります。0.5の半分は0.25なので、付点8分音符の付点は0.25の16分音符を表しているわけです。
付点音符の付点の位置
五線上に付点音符を書く場合ですが、付点は音符が乗っている五線より上に書く、というのが正しいとされます。加線上にある付点音符の付点も同じで、加線より上に書いてやりましょう。
複付点音符の長さ
付点が2つ付く付点音符があり、頭に複(ふく)を加えた複付点音符と言います。複付点4分音符を例に挙げると、1つ目の付点は8分音符でしたが、2つ目の付点は更に半分の16分音符を表しています。元の音符から見れば、2つ目の付点は4分の1の長さになるわけです。
複付点音符は稀
同じく複付点休符もありますが、複付点音符も含めて目にするのは稀でしょう。
連符(れんぷ)
4分音符を3で割る
4分音符を2で割った時は①のように8分音符が2つ、4で割った時は②のように16分音符が4つで丁度です。しかし、4分音符を3で割った時は丁度で割り切れないので、③のようにして表します。これを連符(れんぷ)と言い、③は3で割っているので3連符と言います。
2分音符を5で割る
2分音符を2で割った時は④のように4分音符が2つ、4で割った時は⑤のように8分音符が4つで丁度です。しかし、2分音符を5で割った時は丁度で割り切れないので、これも⑥のようにして表します。やはりこれも連符の一種で、5で割っているので5連符と言います。
連符になる時の決まり
その音符を丁度で割り切れない場合、連符という扱いになります。連符になる時の割り数ですが「3・5・6・7・9」と続いていきます。連符の元になる音符に決まりはなく、上記のように4分音符や2分音符であったりします。4分音符を1拍とした時の連符を見ていきましょう。
1拍3連符
4分音符を3で割った連符を、1拍3連符(いっぱくさんれんぷ)と言います。1拍3連符が最も見られる連符で、そのリズムも覚え易いのが特徴です。
2拍3連符
2分音符を3で割った連符を、2拍3連符(にはくさんれんぷ)と言います。2拍3連符もよく見られますが、1拍3連符のように直ぐには覚えられないでしょう。
2拍5連符
2分音符を5で割った連符を、2拍5連符(にはくごれんぷ)と言います。2拍5連符は時々見る事が出来るくらいで、リズムを取るのも難しい連符のはずです。
1拍6連符
4分音符を6で割った連符を、1拍6連符(いっぱくろくれんぷ)と言います。1拍6連符は耳に馴染みやすいですが、楽器で弾くのが難しいと思います。
4拍7連符
全音符を7で割った連符を、4拍7連符(よんはくしちれんぷ)と言います。4拍7連符はリズムが難しい事はもちろんですが、一生お目にかかれない連符の1つかもしれません。
連符表一覧を開く連符の表し方
全音符・2分音符・4分音符・8分音符の、3連符・5連符・6連符・7連符・9連符までを、表にまとめてみました。それ以降も連符は10連符・11連符・12連符と続きますが、目にする機会は稀です。連符の表し方は何通りかあり、連符にする音符も覚えるのに苦労しますが、その時々で調べれば十分でしょう。
- 音符と休符にも書き方のルールが決められている。
- 音符と休符の長さは算数が出来れば分かる。
- 連符は丁度で割り切れない時に使われる。