綺麗に響いて良く解け合う音程を、完全音程(かんぜんおんてい)と言います。どういう音程が完全音程になるのかを、半音の数を意識して見ていきます。先ずは#や♭が付かない幹音(かんおん)だけで考え、次に#や♭が付く派生音(はせいおん)でも考えてみましょう。
完全音程(幹音)
完全音程はどれだろう?
上記はドを1度とする1度~8度の度数ですが、この中に4つの完全音程があります。前述しましたが、完全音程は綺麗に響く音程なので、先ず音源を聞いて判断してみてください。
完全を頭に付ける
1度・4度・5度・8度が完全音程のグループで、これらの度数には頭に完全を付けるのが、正しい呼び方となります。幹音で作られる完全音程を完全1度から順番に、半音の数を意識して見ていきましょう。
完全1度は半音0
完全1度は全て半音0個で作られ、幹音では7種類あります。
完全4度は半音5
完全4度は全て半音5個で作られ、幹音では6種類あります。
完全5度は半音7
完全5度は全て半音7個で作られ、幹音では6種類あります。
完全8度は半音12
完全8度は全て半音12個で作られ、幹音では7種類あります。完全8度は1オクターブとも言います。
音程の覚え方は色々
完全音程に限らず、音程は半音の数で覚えるのが確実ですが、自分が扱う楽器の運指の間隔などでも、覚えられるでしょう。
完全音程(派生音)
完全1度にするには?
左はソ~ソ#で度数は1度ですが、音程は半音1個分あるので、これでは完全1度にはなりません。そこで右のように、もう片方にも#を付けて、両方をソ#にしてやれば、半音0個の完全1度になります。
完全4度にするには?①
左はレ~ソ♭で度数は4度ですが、音程は半音4個分しかないので、完全4度にはなりません。そこで右のように、レ♭にして音程を広げてやると、半音5個の完全4度になります。
完全4度にするには?②
左はシ~ファで度数は4度ですが、半音は6個分あるので、完全4度にはなりません。そこで中央のようにシ♭にするか、右のようにファ#にして、半音1個分を狭くしてやると、半音5個の完全4度になります。
完全5度にするには?①
左はミ#~シで度数は5度ですが、半音は6個分しかないので、完全5度にはなりません。そこで右のように、シ#にして音程を広げてやると、半音7個の完全5度になります。
ファ~ドでは駄目なの?
ミ#~シ#を幹音で表すとファ~ドで、これでも半音7個の完全5度ですが、そうしてしまうと音符の位置が変わってしまうので、音楽理論的には不正解になってしまいます。
完全5度にするには?②
左はシ~ファで度数は5度ですが、半音は6個分しかないので、完全5度にはなりません。そこで中央のようにファ#にするか、右のようにシ♭にして、半音1個分を広くしてやると、完全5度になります。
完全8度にするには?
×のような変化記号はダブルシャープで、これは#が2つ分という意味です。そうするとド~ド×の度数は8度ですが、半音14個分あるので完全8度にはなりません。そこで右のように1度もド×にして、半音2個分を狭くしてやると完全8度になります。
- 完全1度は半音が0個で作られる。
- 完全4度は半音が5個、完全5度は半音が7個で作られる。
- 完全8度は半音が12個で作られる。