音の大きさを決めるのが強弱記号です。強弱記号はポピュラー音楽の譜面にはあまり見られず、クラシック音楽でよく使用され、イタリア語で表現されています。強弱記号にもたくさんの種類がありますが、ここでは基本的なものだけを見ていく事にしましょう。

強弱記号①

フォルテ系の記号
フォルテ系の記号一覧表

フォルテ系は強い音

強くを意味するのがフォルテフォルテです。それが重なる毎に強さが増し、ここではフォルテ・フォルティッシモまでしか表記していませんがフォルテ・フォルテ・フォルティッシモもあり、読み方はフォルテ・フォルテ・フォルティッシモと言います。やや強くと表現される事の多いメゾ・フォルテですが、これを普通の強さとする場合もあります。

フォルティッシッシモとは?

以前はフォルテ・フォルティッシモフォルティッシッシモとも呼んでいましたが、現在ではフォルテ・フォルティッシモと呼ぶのが普通です。フォルティッシモを基準にフォルテが増える毎に、フォルテという呼び方を重ねるわけです。

  • フォルティッシモ(フォルティッシモ)
  • フォルテ・フォルティッシモ(フォルテ・フォルティッシモ)
  • フォルテ・フォルテ・フォルティッシモ(フォルテ・フォルテ・フォルティッシモ)
ピアノ系の記号
ピアノ系の記号一覧表

ピアノ系は弱い音

弱くを意味するのがピアノピアノです。それが重なる毎に更に弱くなり、上記のピアノ・ピアニッシモより弱い ピアノ・ピアノ・ピアニッシモもあり、読み方はピアノ・ピアノ・ピアニッシモと言います。やや弱くと表現される事の多いメゾ・ピアノですが、静かめの曲なら普通の強さとする場合もあるでしょう。

ピアニッシッシモとは?

以前はピアノ・ピアニッシモピアニッシッシモと呼んでいましたが、現在ではピアノ・ピアニッシモと呼ぶのが普通でしょう。ピアニッシモを基準にピアノが増える毎に、ピアノという呼び方を重ねるわけです。

  • ピアニッシモ(ピアニッシモ)
  • ピアノ・ピアニッシモ(ピアノ・ピアニッシモ)
  •  ピアノ・ピアノ・ピアニッシモ(ピアノ・ピアノ・ピアニッシモ)
強弱記号とベロシティ
強弱記号とベロシティの表画像

ベロシティについて

音楽を作るアプリにはベロシティ(velocity)という用語があります。英和辞典では主に「速度」と載っていますが、音楽アプリのベロシティは音の大きさを、数値やグラフで表したものです。強弱記号をベロシティで表す事などありえませんが、強いて表すなら上記のような感じでしょうか。

ベロシティの基準は変わる

ベロシティの最大数は127で、それをフォルテ・フォルテ・フォルティッシモとしてみると、中間のメゾ・ピアノメゾ・フォルテは62~75位になるでしょうか。曲の雰囲気などでも基準は変わってくるので、ベロシティ数値は大体の目安として考えてください。

強弱記号の真ん中は?

強弱記号には真ん中を表すものがありません。楽典によってはメゾ・フォルテを真ん中とするものもありますが、曲によってはメゾ・ピアノを真ん中にする事もあり、使い分けるのが良いでしょう。

大きな譜面を開く
強弱記号を表した8小節
強弱記号を表した8小節

強弱記号の効果

強弱記号は音符の直下に書くのが基本ですが、無理な場合は音符の直近に書けば良いでしょう。強弱記号は書かれた音符から、後の音符にも効果が持続します。上記の8小節だと、1小節ずつ異なる強弱記号の効果がある、という事になります。

強弱記号②

スフォルツァンド・フォルツァート・アクセント
スフォルツァンド・フォルツァート・アクセントの表画像

指定の音だけを強く弾く

スフォルツァンドスフォルツァンドスフォルツァンドフォルツァートフォルツァートと言いますが、読み方は楽典によって微妙に違ってきます。Λアクセントと言い、これらは全て強く弾くという意味なので、フォルテ系の仲間ですが、指定された音だけを強く弾きます。

  • ピアニッシモからスフォルツァンド
    ピアニッシモからスフォルツァンドの2小節
  • メゾ・フォルテからスフォルツァンド
    メゾ・フォルテからスフォルツァンドの2小節

強さの違うスフォルツァンド

①は周辺の音符がピアニッシモで、②は周辺の音符がメゾ・フォルテで、両方とも1小節目の終わりにスフォルツァンドがあります。同じスフォルツァンドですが、周辺の音符の強さが異なるため、強さの違うスフォルツァンドになります。曲の流れに合わせたスフォルツァンドにしてやりましょう。

強弱記号③

クレッシェンド・デクレッシェンド・ディミヌエンド
クレッシェンド・デクレッシェンド・ディミヌエンドの表

少しずつ変化する

少しずつ変化する強弱記号もあり、だんだんと強くをクレッシェンド、逆に、だんだんと弱くをデクレッシェンドディミヌエンドと言います。表にも記すように、文字か記号での書き方があります。

  • cresc.とdim.(文字表記)
    cresc.とdim.(文字表記)2小節
  • cresc.とdim.(記号表記)
    cresc.とdim.(記号表記)2小節

強弱記号で指定する

どちらかと言えば①より②の、記号を使ったクレッシェンドやディミヌエンドの方がよく見られ、感覚的にも分かり易いかと思います。記号の場合はピアノフォルテ等を使い、強弱を指定してやると親切でしょう。

  • 1音ずつのクレッシェンド
    1音ずつのクレッシェンド2小節
  • 4音ずつのクレッシェンド
    4音ずつのクレッシェンド2小節

クレッシェンドの表現

例えば③のようなクレッシェンドだと、フォルテまでの1音ずつを異なる音量で弾くのが理想ですが、これは中々に難しい表現です。そこで④のように、4音ずつに区切って音量を上げていくと、弾き易くなるかもしれません。クレッシェンドの表現にも、個人差が出てくると思います。

フォルテ・ピアノ
フォルテ・ピアノの表画像

フォルテ+ピアノ

フォルテピアノが合わさったフォルテ・ピアノという強弱記号もあり、読み方はフォルテ・ピアノで、強く直ぐに弱くという意味です。ストリングス系の弦楽器などで、使われる事が多いと思います。

フォルテ・ピアノとクレッシェンド
フォルテ・ピアノとクレッシェンドの2小節

一瞬だけ大きな音

フォルテ・ピアノだけという場合もありますが、クレッシェンドと一緒に使われる事もあります。拍の頭だけ音が大きくなっているのが、聞き取れると思います。

記事終了
このページのまとめ
  • フォルテ系は強く、ピアノ系は弱く。
  • スフォルツァンドetc.は特定の音を強く弾く。
  • 少しずつや急に変化する強弱記号もある。