16分音符と16分休符は、4分音符と4分休符の4分の1の長さに当たります。音符のリズムの中で先ず最初の壁となるのが、この16分音符と16分休符である事が多く、8分音符と組み合わさったリズムや、タイ記号が混ざってくると、更に難しいリズムと化します。事細かく見ていきましょう。
16分音符と16分休符の符割
16分音符の長さ
4分音符を1.0とした時に、8分音符は0.5となり、16分音符なら0.25となります。16分音符2個なら8分音符1つ分と、16分音符4個なら4分音符1つ分と、同じ値になります。当然、休符の関係も同じ事が言え、これらが後でリズムを考えるポイントにもなるので、覚えておきましょう。
連桁で見易く
①は16分音符が単体でズラっと並んでいますが、これでは見づらいので、②のように連桁(れんこう)で繋げて、見易くするのが普通です。16分音符の場合、4分音符と同じ値になる4つまでを、連桁で繋げる事が多いでしょう。
8分音符と16分音符の連桁
今度は8分音符もありますが、これも④のように、16分音符と連桁で繋ぎ見易くします。これら8分音符1個と16分音符2個が組合さったリズムは、丁度4分音符1つ分と同じです。これらのリズムは、後で詳しく説明しています。次に符割を見ていきましょう。
4分の4拍子の符割
は小節に4分音符が4つ分入ります。小節に示す1つが、4分音符1つ分を表しています。2小節目のように休符が入るとややこしいので、何処で4分音符1つ分になるのか、区切ると分かり易いでしょう。
4分の3拍子の符割
は小節に4分音符が3つ分入ります。これも休符がない1小節目は分かり易いですが、休符の入る2小節目は、4分音符1つ分になる所までを区切ってやりましょう。
16分音符のリズム
16分音符とタイ記号
16分音符4個(①の一番右)のタタタタに合わせた歌い方をすると、4分音符1個はタアアア、8分音符2個はタアタアと歌えます。これは②でも示すように、16分音符4個をタイ記号で結んだリズムと同じです。②の方が音符数と文字数がマッチしているので、イメージし易いかと思います。
タイ記号とは?
タイ記号とは同じ高さの音符を結ぶ曲線の事で、結ばれた後の音符の長さがプラスされます。詳しくは4分音符と4分休符等でも説明しています。
同じリズム
先程も説明したように、③の4分音符1個と8分音符2個を、16分音符とタイ記号で表したのが④です。もちろん、③と④の小節は同じリズムです。
8分音符は16分音符2個
⑤は8分音符と16分音符が、組み合わさった3種類のリズムです。8分音符は16分音符2個分なので、16分音符2個をタイ記号で結んでやった、⑥のようにも考える事が出来ます。この3種類のリズムを、順番に聞いてみましょう。
聞いて歌って覚える
⑦がタアタタのリズム、⑧がタタアタのリズム、⑨がタタタアのリズムで、それぞれ4回ずつ鳴っています。聞いて覚えるのはもちろんですが、声に出して歌ってやると、より効果的に覚えられます。
音符に単語を当てはめる
子ども用の楽典に多く見られるのが、音符に日常で使う単語を当てはめて、リズムを覚えさせるという方法です。ここではビフテキ・トースト・クリーム・サンデーとしていますが、音符のリズムに合っていれば何でも良いわけです。お子さんと一緒に考えてみてください。
16分休符のリズム
16分休符1個
16分音符4個のタタタタを基本に考え、そこへ16分休符1個を入れたものが、上記に示すものです。文字ではウが16分休符を示しており、それが左から順番に1つずつズレているのが分かります。16分休符なしのタタタタも含め、これら5種類のリズムを聞いてみましょう。
拍の頭を意識する
⓪がタタタタ、①がウタタタ、②がタウタタ、③がタタウタ、④がタタタウのリズムで、それぞれ4回ずつ鳴っています。矢印でも示す拍の頭を意識して歌ってやると、リズムを把握しやすいでしょう。
16分休符2個は8分休符1個
⑤は16分休符2個と16分音符2個のリズムですが、16分休符2個は8分休符1個と同じ長さなので、⑥のように表すのが正確かと思われます。しかし、先ずは⑤で考える方が分かり易いかもしれません。これら3種類のリズムを、16分休符2個と8分休符1個の小節に分け、リズムを聞いてみましょう。
ウウをしっかりと歌う
最初はウウタタのリズムです。拍の頭から16分休符2個続いているので、リズムは取り辛いです。しっかりとウウを歌ってやりましょう。
16分休符のサンドイッチ
次はタウウタのリズムです。視覚的には16分休符2個(8分休符1個)を、16分音符2個でサンドイッチしている感じでしょうか。
タタウウとウウタタ
最後はタタウウのリズムです。最初に見たウウタタのリズムと、逆になっているかのような感じです。拍の頭がタと鳴るので、こちらの方が分かり易いかもしれません。
8分休符1個に直せない
今度も16分休符と16分音符が2個ずつのリズムですが、16分休符が隣り合っていません。なので、16分休符2個を8分休符1個に直す事は出来ず、音符の書き方は上記の3種類のみです。これも同じく小節と一緒に、リズムを聞いてみましょう。
16分休符は複雑
⑬⑭⑮のどの小節を見ても分かるように、見た目が複雑でリズムも掴みづらいです。矢印の部分が拍の頭なので、その部分を意識して歌ってやりましょう。
16分休符3個のリズム
16分音符1個と16分休符3個の、更にややこしいリズムもありますが、それは後のページで説明しています。
16分音符とタイ記号
タイ記号のリズム
上記はこれまでに見てきた、16分音符のみと8分音符も組み合わさった、16分音符のリズム4種類です。今度はこれら16分音符のリズムに、タイ記号を付けたリズムを練習していきましょう。
タタタタ→アタタタ
②は2・3拍目がタイ記号で繋がっています。これが最初から歌えなければ、①のタイ記号なしから歌い、リズムを感じ取ってみましょう。3拍目だけタタタタをアタタタに変えて歌うだけ、とシンプルに考えてみましょう。
タアタタ→アアタタ
先ずは8分音符1個と16分音符2個が組み合わさった、タアタタのリズムを正確に歌いましょう。それを4回歌えたら、3拍目だけをアアタタと歌ってやりましょう。
タタアタ→アタアタ
次は16分音符+8分音符+16分音符が組み合わさった、タタアタというリズムが基本です。これを4回連続で歌えたら、やはり3拍目だけをアタアタと歌ってやります。
タタタア→アタタア
今度は16分音符2個と8分音符が組み合わさった、タタタアというリズムが基本です。これを4回連続で歌えたら、3拍目だけをアタタアに変えて歌ってみましょう。
タイ記号なしから歌う
最後に16分音符4種類のリズムで練習してみましょう。ここでも先ずは⑦のタイ記号なしのリズムを、正確に歌える事から始めてみましょう。
リズム練習
大きな譜面を開く音源を聞かずに歌える
先ずは休符もタイ記号もなしの、16分音符のみのリズムです。これまで説明してきた16分音符が歌える人は、音源を聞かずに譜面だけを見て歌う、という事に挑戦してみてください。
大きな譜面を開く1拍にまとめる
今度は8分休符や16分休符も入っており、かなり難しく感じられます。休符が入ると何処が拍の頭なのか、何処までが1拍なのか分かり辛くなるので、1拍にまとめる作業から始めるのも良いでしょう。
大きな譜面を開くテンポはゆっくり
最後はタイ記号も付いており、かなり難しいリズムとなっています。音源と同じテンポで歌えるようになる必要は全くないので、無理のないテンポから、1小節ずつ歌っていきましょう。
- 16分音符(16分休符)は、4分音符(4分休符)の4分の1の長さ。
- 16分音符2個と8分音符1個が組み合わさったリズムはよく見られる。
- タイ記号のリズムは先ず、タイ記号なしで考えてやると良い。